結論:上司に「決めてほしいこと」から書く

上司に出すホームページ改善提案書は、情報を並べる資料ではなく、判断してもらうための資料です。最初の段落に「何を、いつまでに決めてほしいか」を書き、その理由として背景・現状・選択肢・費用を続けます。

例えば「制作会社3社への見積もり依頼を、今月中に始めてよいかを判断してください」のように、決めてほしいことが一つにしぼれていると、上司は読みながら判断の材料を探せます。いきなりリニューアル全体の承認を求めるより、次の一歩(見積もりを取る、数字を確認する、小さく試す)の承認を求める方が通りやすい場面もあります。

この記事の項目と記入例は当サイトの提案です。記入例はすべて架空の会社を想定したもので、実在の会社の事例ではありません。

提案書の基本の項目

次の7項目を、上から順に書くと構成がまとまります。

項目書く内容分量の目安
1. 決めてほしいこと判断してほしい内容と期限2〜3行
2. 背景と目的なぜ今見直すのか、何が変わればよいか3〜5行
3. 現状と課題見たこと(事実)と、気になること(仮説)を分けて箇条書き3〜5点
4. 進め方の選択肢2〜3案を、費用・手間・期間で比較表1つ
5. 予算・期間・体制上限か目安か、社内で誰が何をするか3〜5行
6. 気になる点と対応リスクと、その減らし方箇条書き2〜4点
7. 次の一歩承認後にすること、判断の時期2〜3行

項目を全部埋める必要はありません。分からない欄は「未確認」と書き、確認の方法を添えておけば、上司と一緒に埋めていけます。

記入例①:決めてほしいこと・背景と目的

ここからは、架空の会社を例に記入例を示します。

例:従業員30人の設備工事会社(架空)。サイトは数年前に制作会社が作り、更新はお知らせのみ。総務担当がWeb担当を兼任している。

1. 決めてほしいこと
「ホームページの見直しに向けて、制作会社3社に見積もりを依頼することを、〇月〇日までに判断してください。今回の判断は見積もり依頼までで、発注は見積もりを比べた後に改めて相談します。」

2. 背景と目的
「施工事例のページが数年前から更新されておらず、営業担当から『お客様に見せられるページがない』という声が出ています。また、スマートフォンで問い合わせ先が見つけにくいという指摘が社内でありました。今回の見直しの目的は、施工事例を自分たちで更新できるようにすることと、スマートフォンから問い合わせまでたどり着きやすくすることの2点です。」

背景には、誰からどんな声が出ているかを具体的に書きます。目的は2〜3点にしぼり、優先順位が分かるようにします。

記入例②:現状と課題は、事実と仮説を分ける

現状と課題の欄では、自分で確認した事実と、そこから考えた仮説を分けて書きます。混ぜてしまうと、上司は何が確かなのか判断できません。

3. 現状と課題(記入例・架空)

  • 事実:施工事例ページの最終更新は〇年〇月(ページで確認)
  • 事実:スマートフォンでトップページから問い合わせフォームまで、メニューを3回開く必要がある(担当者が確認)
  • 事実:お知らせ以外のページは、今のCMSでは社内から編集できない(制作会社に確認済み)
  • 未確認:月ごとの問い合わせ件数(受付の記録を〇月までに集計予定)
  • 仮説:施工事例の情報が古いため、比較検討しているお客様に選ばれにくくなっている可能性がある

数字が分からない場合は、推測で埋めずに「未確認」と書き、いつまでにどう確認するかを添えます。どこから課題を見つけるかはサイトの改善点がわからないときの見つけ方、数字の見方はGA4とSearch Console、Web担当が最初に見る数字が参考になります。

記入例③:進め方の選択肢を比べる

上司は「なぜこの方法なのか」を知りたがります。進め方を2〜3案並べ、良い点と気になる点の両方を書きます。選ばなかった案も載せておくと、比較したうえで提案していることが伝わります。

4. 進め方の選択肢(記入例・架空)

案内容良い点気になる点
A. 今のサイトを部分修正今の制作会社に事例ページの改修と問い合わせ導線の修正を依頼期間が短い、費用を抑えやすい事例を社内で更新できるかは改修内容次第
B. 全面リニューアル複数社に見積もりを取り、作り直す更新の仕組みから見直せる費用と期間がかかる、社内の確認作業が増える
C. 作成サービスへ移すStudio・ペライチなどのサービスで作り直す月額の費用が見える、自分で更新しやすい機能やページ数の制限、移行の手間

金額は、見積もりを取る前なら「見積もり依頼後に記入」と書いて構いません。各案の判断の目安はホームページは自分で直す?外注する?判断の目安、見積もりの読み方はホームページリニューアルの見積もり、何で金額が変わる?で整理しています。

記入例④:予算・期間・体制と、気になる点

5. 予算・期間・体制(記入例・架空)
「予算:上限は未定。見積もりを比べたうえで改めて相談します。期間:〇月の展示会までに施工事例ページを公開したい(希望)。体制:窓口は総務の担当者。施工事例の写真と説明文は工事部の〇〇さんに協力を依頼したい。公開前の確認は部長にお願いしたい。」

予算は「上限」か「目安」か「未定」かを必ず書き分けます。体制の欄では、担当者一人で抱えられない作業(原稿・写真の用意、現場の確認)を誰に頼みたいかを書くと、上司から関係部署へ声をかけてもらいやすくなります。

6. 気になる点と対応(記入例・架空)

  • 写真や原稿の用意が遅れると公開が延びる → 工事部と月1回の提出日を決める
  • 見積もりの範囲が会社ごとに違うと比べられない → 同じ依頼書(RFP)を3社に渡す
  • URLが変わると検索からの訪問が減るおそれ → 制作会社に転送設定(301リダイレクト)を依頼範囲に入れてもらう

リスクを書いておくと、「気づいていて対策も考えている」ことが伝わります。

提案書の作り方:自分で書く・ツールを使う・AIに下書きを頼む

提案書は、社内の様式に自分で書いていく方法が基本です。項目がこの記事の7つと大きく違わなければ、記入例を参考に埋めていけます。

社内で手作業・汎用AI・専用サービスなどの進め方を比べて説明したい場合は、当サイトの上司向け比較資料ツールで、比較・費用・懸念点・試行計画を下書きにまとめられます。入力内容はブラウザの中だけで処理され、未定の項目は未確認として残せます。

目的の整理から相談したい場合は、GROW Agent プロデューサーも候補です。公式の案内では、公開中のサイトを読み込みながら対話し、「提案書(概算見積つき)」や「社内共有資料」など15種類の資料を作れます。相談と資料作成は無料ですが、開始時にサイトのURL・会社名・名前・連絡先の入力が必要です。人に残る作業として、会社情報や数字が正しいかの確認、推定値と実測値の区別、社内の事情に合わせた修正、上司への説明は担当者が行います。当サイトでは、出力される資料の品質は検証していません。資料の種類はGROWが案内する15種類の資料で整理しています。

提出前のチェックリスト

書き上げたら、上司に出す前に次の点を確認します。

  • 最初の段落に、決めてほしいことと期限が書いてある
  • 目的は2〜3点にしぼられ、優先順位が分かる
  • 事実・未確認・仮説が分けて書いてある
  • 選択肢は2案以上あり、それぞれ気になる点も書いてある
  • 予算が上限・目安・未定のどれかが分かる
  • 社内で協力をお願いしたい人と作業が書いてある
  • 金額や数字に、出典(見積書、GA4、受付記録など)と時点が添えてある
  • AIで下書きした場合、会社情報・数字・費用を自分で確認した

AIで作った資料を使う場合の確認ポイントはAIが作った提案書を、そのまま提出する前ににまとめています。承認をもらった後の進め方はホームページリニューアルの進め方を参照してください。