結論:最初は6つの数字だけ見ればよい

GA4(Google アナリティクス 4)とSearch Console(サーチコンソール)は、どちらもGoogleが無料で提供しているサイト分析の道具です。画面には多くのレポートが並びますが、兼任の担当者が最初からすべてを理解する必要はありません。

当サイトでは、最初に見る数字を次の6つに絞ることを提案しています。

  • GA4:セッション(サイトへの訪問の回数)
  • GA4:エンゲージメント率(しっかり見てもらえた訪問の割合)
  • GA4:キーイベント(問い合わせ送信など、目的の操作の回数)
  • GA4:ランディング ページごとのセッション(最初に着いたページ)
  • Search Console:クリック数と表示回数(検索結果での見られ方)
  • Search Console:クエリ(どんな言葉で検索されて表示されたか)

この6つを月に一度、同じ期間で記録するだけで、「訪問が減った」「検索からの訪問は増えたが問い合わせは変わらない」といった変化に気づけます。その前に、両方が設定されているか、自分が見られる権限があるかを確認します。

GA4とSearch Consoleの違い

二つの道具は、見ている場所が違います。お客様の行動を、検索してからサイトで問い合わせるまでの流れで考えるとわかりやすくなります。

Search ConsoleGA4
見ている範囲Google検索の結果に表示され、クリックされるまでサイトに来てから、サイト内で何をしたか
わかること表示回数、クリック数、検索された言葉、検索に登録されているページ訪問の数、どこから来たか、どのページを見たか、問い合わせ送信の回数
わからないことサイトに来た後の行動、検索以外からの訪問検索結果に表示されたがクリックされなかった回数
設定の仕方サイトの所有権を確認して登録サイトに測定用のタグ(計測用のコード)を設置

たとえば「Search Consoleでは表示回数が増えているのに、クリック数が増えない」なら、検索結果に出ているページの題名や説明文を見直す余地があります。「GA4で訪問は増えているのに、キーイベントが増えない」なら、サイト内の導線や問い合わせページに目を向けます。どちらか一方だけでは、こうした切り分けがしにくくなります。

設定されているかを確認する方法

前任者や制作会社が設定済みのこともあれば、まったく設定されていないこともあります。まず次の順で確認します。

GA4の場合

  • 社内で「GA4を設定したか」「どのGoogleアカウントで管理しているか」を前任者・制作会社に聞く
  • 権限があれば、GA4の「管理」から「データの収集と修正」の「データ ストリーム」を開く。対象のサイトのストリームに「G-」で始まる測定IDが表示されると公式ヘルプは案内しています
  • 「リアルタイム」レポートを開き、自分でサイトを表示して数字が動くか見る。リアルタイムレポートでは過去30分間などのアクティブ ユーザー数を確認できます。設定直後は、データが表示されるまで最長30分ほどかかる場合があると案内されています

Search Consoleの場合

  • 前任者・制作会社に、Search Consoleに登録済みか、所有者は誰かを聞く
  • Search Consoleには、ドメイン全体を対象にする「ドメイン プロパティ」と、特定のURLから始まる範囲を対象にする「URL プレフィックス プロパティ」があります。どちらで登録されているかも確認します
  • 未登録の場合は、所有権の確認が必要です。HTMLファイルのアップロード、HTMLタグ、Google アナリティクスのトラッキング コード、Google タグ マネージャー、DNSレコードなどの方法があると公式ヘルプは案内しています

所有権の確認やタグの設置は、サイトのファイルやサーバーの設定に触れる作業です。管理画面の操作に慣れていない場合は、制作会社やサーバーの管理者に依頼するほうが安全です。

権限の受け取り方:見るだけなら最小限で

GA4もSearch Consoleも、管理している人が、あなたのGoogleアカウントのメールアドレスを追加することで見られるようになります。パスワードを共有してもらう必要はありません。社内でアカウントを共有している場合も、担当者ごとに権限を付ける方法を相談しましょう。

GA4の役割(公式ヘルプの事前定義された役割)

役割できること(要約)向く人
管理者ユーザーの追加・削除を含め、すべてを管理会社の管理責任者
編集者プロパティの設定を幅広く管理(ユーザー管理は不可)設定を変更する担当
マーケティング担当者オーディエンス、イベント、キーイベントの作成・編集計測の設定を担う担当
アナリスト作成したデータ探索を他のユーザーと共有分析を共有する担当
閲覧者設定とデータの閲覧、レポートの表示の変更数字を見るだけの担当

追加は、管理者が「管理」の「アクセス管理」から「ユーザーを追加」で行うと案内されています。

Search Consoleの権限

  • 所有者:すべての操作とユーザー管理ができる(確認済み所有者と委任された所有者があり、権限は同じ)
  • フルユーザー:すべてのデータを表示でき、一部の操作もできる
  • 制限付きユーザー:ほとんどのデータを表示できる

追加は、所有者が「設定」の「ユーザーと権限」から行います。依頼するときは「月に一度数字を確認したいので、GA4は閲覧者、Search Consoleは制限付きユーザーで追加をお願いします」と、目的と希望する権限を一緒に伝えると話が早く進みます。

最初に見る6つの数字と、見る場所

権限を受け取ったら、次の6つを確認します。指標名は2026年10月時点のGA4・Search Consoleのヘルプの表記に合わせています。画面の表記が変わる場合があるため、見つからないときは公式ヘルプで確認してください。

数字見る場所わかること注意
セッションGA4「レポート」の「集客」から「トラフィック獲得」訪問の回数と、どこから来たか(チャネル)同じ人の複数回の訪問はそれぞれ数える
エンゲージメント率同じく「トラフィック獲得」10秒以上の滞在、キーイベントの発生、2ページ以上の閲覧のいずれかがあった訪問の割合低い=悪いとは限らない。電話番号だけ見て帰る人もいる
キーイベント同じく「トラフィック獲得」など問い合わせ送信など、目的の操作の回数設定していないと0のまま
ランディング ページ別のセッションGA4「エンゲージメント」から「ランディング ページ」訪問者が最初に着いたページトップ以外から入る人が多いことがある
クリック数・表示回数Search Console「検索パフォーマンス」Google検索で表示された回数と、クリックされた回数検索以外からの訪問は含まない
クエリ同じく「検索パフォーマンス」の「クエリ」どんな言葉で検索され表示されたか一部のクエリは表示されないことがある

エンゲージメント率の条件は、公式ヘルプの「エンゲージメント セッション」の定義に基づきます。キーイベントは、GA4の「管理」の「データの表示」にある「イベント」で、対象のイベントにキーイベントとしてマークを付ける形で設定すると案内されています。問い合わせフォームの送信完了をどうイベントとして記録するかはサイトの作りによるため、設定済みかどうかを制作会社に確認しましょう。

Search Consoleの「平均掲載順位」も気になる数字ですが、最初は表示回数とクリック数の変化を見る方が判断しやすいと当サイトでは考えています。

月に一度、同じ形で記録する

数字は一度見るだけでは良いか悪いか判断できません。同じ期間・同じ項目で記録し、前の月や前年の同じ月と比べて初めて変化がわかります。次のような表を、表計算ソフトに作っておく方法があります。

項目9月10月気づいたこと
セッション(合計)
うち Organic Search(自然検索)
エンゲージメント率
キーイベント(問い合わせ送信)
最も多いランディング ページ
検索のクリック数 / 表示回数
多かったクエリ上位3つ
サイトで変更したこと

最後の「サイトで変更したこと」の行は、数字そのものと同じくらい役に立ちます。ページを直した日、広告を始めた日、チラシを配った日などを書いておくと、数字が動いた理由を後から考えられます。

最初の数か月は、画面の場所を探すのに時間がかかっても構いません。毎月同じ手順で開くうちに、見る場所が決まってきます。

数字を読むときの注意

数字を見始めると、増減に一喜一憂しがちです。判断を急がないために、次の点を意識します。

  • 期間をそろえる:月の日数や連休の有無で数字は変わります。比べるときは、前の月だけでなく前年の同じ月も見ます
  • 少ない数字で結論を出さない:月に問い合わせが数件のサイトでは、1件の違いで割合が大きく動きます。3か月分をまとめて見るなど、期間を広げます
  • 原因を一つに決めつけない:数字が下がったとき、サイトの変更だけでなく、季節、競合、検索結果の表示の変化、広告の停止など他の要因もありえます
  • 設定の変化に気づく:タグを外した、計測の設定を変えた、などで数字が急に変わることがあります。急な変化があったら、まず設定を確認します

上司に報告するときは、数字に「何を変えたか」「次に何を確かめるか」を添えると、判断の材料として伝わります。数字の変化から改善候補を探す手順はサイトの改善点がわからないときの見つけ方で紹介しています。

分析を手伝ってもらうときに、渡すもの

数字の読み方を制作会社や外部の相談先に手伝ってもらう場合は、GA4・Search Consoleの閲覧権限を、相手のGoogleアカウントに付けて共有する方法があります。管理者権限ではなく、必要な範囲の権限にとどめ、仕事が終わったら外すことを社内で決めておくと安心です。

AIサービスにも、データの接続に対応しているものがあります。たとえばGROW Agent プロデューサーは、GA4・Search Console・Google広告を任意で接続(読み取りのみ)すると実数値で分析すると公式サイトで案内しています(2026年10月確認)。接続しない場合は、アクセス解析が推定値になる旨も明記されています。接続するかどうかは、社内の情報の扱いのルールを確認してから決めましょう。どの方法でも、出てきた分析の内容が自社の事情に合うか、次に何を変えるかを決めるのは担当者と社内の判断です。

指標名・メニュー名・権限の名称は、2026年10月時点のアナリティクス ヘルプ、Search Console ヘルプで確認した表記です。画面や名称は変更される場合があるため、最新の情報は公式ヘルプでご確認ください。