まず決めるのは、今回どこまで担当するか

最初から制作・集客・分析のすべてを覚える必要はありません。「月に一度のお知らせ更新」「改善案の社内提案」「制作会社の窓口」など、今求められている仕事を上司と確認します。いつまでに、何ができれば一区切りかまで一緒に書くと、次に調べることを絞れます。

「Web担当」という言葉が指す仕事は、会社によって大きく違います。更新作業だけを任される場合もあれば、リニューアルの取りまとめまで含む場合もあります。担当範囲があいまいなまま動き始めると、頼まれていない作業に時間を使ったり、期待されていた仕事が抜けたりします。

担当の型主な仕事最初の一区切りの例
更新担当お知らせ・採用情報などの更新更新手順を書き出し、1件を自分で公開する
改善担当困りごとの整理と改善案づくり気になる点を一覧にして上司に見せる
窓口担当制作会社とのやり取り、社内の取りまとめ連絡先と契約内容を確認し、次の打ち合わせ日を決める

この型分けと、このページの手順は当サイトが提案する仕事の整理方法です。

1. サイトの目的と、判断する人を確認する

誰に見てほしいサイトなのか、問い合わせ・資料請求・採用案内など何を案内するのかを確認します。自分で修正してよい範囲、公開前に確認する人、予算を決める人も整理しましょう。

目的は「会社を知ってもらう」のような広い言い方より、「法人のお客様から見積もりの依頼を受ける」のように、サイトを見た人にしてほしい行動まで書くと、後の判断がしやすくなります。判断する人は、内容を確認する人と、お金や公開を決める人が別のこともあります。両方の名前を聞いておきましょう。

まずは次の4項目を一枚にまとめるところから始められます。以下は架空の例です。

項目記入例(架空)
目的地域の工務店として、リフォームの相談予約を受ける
今回の担当範囲施工事例ページの更新と、改善案の社内提案
確認担当内容は営業部長、公開と予算は社長
期限改善案は来月末の会議で説明する

2. 引き継ぐ情報と、連絡先をそろえる

サイトのURL、更新方法、管理している部署、制作会社の連絡先、過去の依頼書、更新予定を確認します。管理画面・ドメイン・サーバー・アクセス解析の管理者が誰かも把握します。

確認すること主な聞き先メモしておくこと
更新の方法前任者、制作会社管理画面で直せる範囲、依頼が必要な範囲
ドメイン・サーバー総務・情報システム担当、制作会社契約者、更新時期、契約先の名前
アクセス解析前任者、制作会社GA4やSearch Consoleが入っているか、誰の権限か
制作会社との契約上司、経理保守契約の有無、頼める作業の範囲

ドメイン(「〇〇.co.jp」のようなサイトの住所にあたる名前)やサーバー(サイトのデータを置く場所)は、契約の更新が途切れるとサイトが表示されなくなるおそれがあります。契約者と更新時期は早めに確認しておくと安心です。

IDやパスワードそのものは、共有資料やAIの入力欄にまとめず、社内で決められた方法で引き継ぎます。自分にない権限を追加する前に、担当者へ必要な範囲を相談してください。制作会社との契約内容は保守・運用契約で確認したいことで扱っています。

3. 「見たこと」と「気になっていること」を分ける

例えば「スマートフォンで問い合わせ先を探すのに3ページ開いた」は観察の記録です。「このせいで問い合わせが減った」は、別のデータが必要な仮説です。困りごとを、対象ページ・見たこと・気になること・確認したいことに分けて書きます。以下は架空のメモの例です。

対象ページ見たこと(事実)気になること(仮説)確認したいこと
トップページスマホでは電話番号がページの最下部にしかない電話したい人が見つけにくいかも電話番号のタップ数を見られるか
施工事例最後の更新が1年前今も営業しているか不安に思われるかも社内に新しい写真があるか
お問い合わせ入力項目が12個ある途中でやめる人がいるかも送信数の推移を見られるか

数字がわからないなら空欄のまま残し、原因を決めつけないようにしましょう。改善点の探し方はサイトの改善点がわからないときの見つけ方で詳しく扱っています。

4. 手作業・汎用AI・専用サービスを比べる

既存の社内資料を少し直せば済むなら、その方法から始められます。汎用AIで下書きを作る方法や、Web相談・資料化を扱うGROW Agent プロデューサーも候補です。仕事に必要な成果物、入力する情報、費用、内容を確認して直す手間をそろえて比較しましょう。AIを使うこと自体を目的にはしません。

方法合う場面人に残る作業
手作業直す箇所が決まっている、社内に使える資料がある構成から文章まで自分で書く
汎用AI(ChatGPTなど)文章の下書きや、考えの整理をしたい前提を説明する、出力を確かめて直す
専用サービス(GROWなど)何から直すか・何を頼むかから相談したい入力してよい情報の確認、資料の中身の確認

GROWは、サイトのURLを入れると公開ページを読み込みながらAIが相談に応じ、診断書や提案書などの資料にまとめると公式で案内しています。相談・資料作成とも無料ですが、開始時に会社名・名前・連絡先の入力が必要です(2026年10月確認。変更される場合があるため公式で確認してください)。どの方法でも、会社の情報を外部のサービスに入れてよいかは先に社内で確認します。比べ方はAIなし・汎用AI・特化AI。同じWebの仕事で比べる進め方にまとめています。

5. 上司には、次に決めてほしいことまで伝える

比較した方法、選ぶ理由、費用の上限、気になる点、試す範囲、続けるかを判断する基準をまとめます。最初から導入を決めず、「公開情報だけを使って下書きを比較する」など小さな試行を相談する進め方もあります。

報告は、次の順に書くと短くまとまります。

  1. 今回の担当範囲と期限(確認した内容)
  2. わかったこと(事実)と、気になっていること(仮説)
  3. 次にやりたいことと、比べた方法
  4. 費用・入力する情報・気になる点
  5. 上司に決めてほしいこと(試してよいか、予算の上限、確認担当など)

判断してほしい点を一つか二つに絞って書きましょう。当サイトの上司向け比較資料ツールでは、未定の項目を未確認として残せます。提案書の形にまとめるなら上司に出すホームページ改善提案書の書き方も参考になります。

最初の1か月でつまずきやすいこと

新しく担当になった人がつまずきやすい点を、当サイトの整理として挙げます。

  • いきなり作り直しを提案する:目的と困りごとを整理する前に見た目の話を始めると、見積もりや比較の基準が定まりません。
  • 権限やパスワードを先に探し回る:まず誰が管理しているかを確かめ、必要な範囲だけを担当者に相談します。
  • 気になる点を全部直そうとする:一覧にしたら、目的に近いものから一つか二つに絞ります。
  • 数字がないまま原因を決めつける:「問い合わせが減った」と書く前に、いつと比べてかを確かめます。
  • 一人で抱え込む:わからないことは「未確認」として上司や制作会社に聞くほうが、結果的に早く進みます。

最初の確認リスト

  • サイトの目的を一文で説明できる
  • 今回の担当範囲と期限がわかる
  • 内容の確認、公開・予算の判断をする人がわかる
  • 管理画面・ドメイン・サーバー・アクセス解析の管理者がわかる
  • 制作会社の連絡先と、保守契約の有無がわかる
  • 過去の資料と更新予定を確認した
  • 困りごとを事実と仮説に分けた
  • 次に相談したいことが一つ決まった

すべてを一日で埋める必要はありません。わからない項目を、次に聞くことの一覧にしましょう。相談の準備は相談する前に整理しておきたい5つのことに続きます。