結論:「見てわかること」と「数字で確かめること」を分けて探す
サイトの改善点がわからないときは、いきなり作り直しを考えるより、気づいたことを二つに分けて書き出すところから始められます。一つは、公開ページを見るだけでわかること。もう一つは、アクセス解析(訪問者の数や動きを記録する仕組み)のデータがないとわからないことです。
前者は今日から直せるものが多く、後者は数字を見るまで判断を保留します。この二つを混ぜると、「なんとなく古く見えるから全部作り直す」「たぶん料金ページが原因だ」といった、確かめていない結論に進みがちです。
この記事では、次の順番で進めます。当サイトが提案する手順です。
- 公開ページを、お客様の立場で一通り見る
- 気づいたことを「事実」「仮説」「確かめ方」に分けて書く
- データが必要な点を、GA4やSearch Consoleで確かめる
- 影響・手間・確かめやすさで優先順位を付ける
- 最初に試す2〜3件を決め、変更日を記録する
公開ページを見るだけでわかること
アクセス解析がなくても、ページを開けば確認できることは多くあります。社内の人は自社サイトを見慣れているため、「初めて来たお客様」のつもりで見るのがこつです。可能なら、社内でサイトに関わっていない人にも同じ項目を見てもらいましょう。
| 確認すること | 見る場所 | 例 |
|---|---|---|
| 情報が古くないか | お知らせ、料金、営業時間、スタッフ紹介 | 最終更新が数年前、終了したサービスが残っている |
| 何の会社かすぐわかるか | トップページの最初の画面 | 社名はあるが、何をしている会社か書かれていない |
| 問い合わせ先が見つかるか | 各ページの上部・下部 | 問い合わせへのリンクがトップにしかない |
| スマートフォンで読めるか | 全ページ(スマホで表示) | 表がはみ出す、文字が小さい、ボタンが押しにくい |
| 料金や進め方の目安があるか | サービス、料金ページ | 「お問い合わせください」だけで目安がない |
| リンク切れ・誤字がないか | 全体 | 押しても表示されないページがある |
| フォームが送れるか | 問い合わせフォーム | 必須項目が多い、送信後に何も表示されない |
これらは「事実」として書けます。たとえば「スマートフォンで料金ページの表が横にはみ出し、右側の金額が見えない」は、誰が見ても同じ結果になる観察です。直す手間も見積もりやすいので、最初の候補に入れやすい項目です。
Googleの検索結果に自社のページが出ているかは、検索窓で社名やサービス名を調べると大まかに見当がつきます。ただし検索結果は人や場所によって変わるため、正確な状況はSearch Consoleで確認します。
データがないとわからないこと
一方で、次のような点は公開ページを眺めても判断できません。推測で決めずに、数字を見てから考えます。
- どのページが多く見られているか、ほとんど見られていないか
- 訪問者が最初にどのページに着いているか(検索から直接サービスページに来ているのか、トップから入っているのか)
- どこから来ているか(検索、地図、SNS、広告、他サイトのリンクなど)
- どんな言葉で検索されて表示されているか
- 問い合わせボタンが押されているか、フォームの途中でやめているか
GA4では、「ランディング ページ」レポートで訪問者が最初にアクセスしたページを、「ページとスクリーン」レポートでページごとの表示回数などを確認できると公式ヘルプは案内しています。Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでは、Google検索でのクリック数・表示回数(インプレッション数)や、どのクエリ(検索された言葉)で表示されたかを確認できます。
Search Consoleには「ページ インデックス登録」レポートもあり、Googleに登録されたページと登録されなかったページ、その理由を確認できると案内されています。「大事なサービスページが検索に出ていない」と感じたときは、まずここを見ます。
GA4やSearch Consoleがまだ設定されていない、権限がない、という場合は、最初に見る数字と権限の受け取り方をGA4とSearch Console、Web担当が最初に見る数字で整理しています。設定してすぐは過去のデータがないため、数字で確かめる項目は「設定後1〜2か月たってから見る」と一覧に書いておきましょう。
お客様の立場で、スマートフォンから一通り操作してみる
改善点を見つけるいちばん手軽な方法は、お客様がとりそうな行動を自分でなぞることです。会社の目的が問い合わせなら、問い合わせを送るところまで、来店予約なら予約の直前まで進めてみます。
手順の例です。
- 自社のサービス名や地域名で検索し、検索結果から自社サイトに入る
- 最初に開いたページで、何の会社か、自分に関係がありそうかを10秒ほどで判断できるか見る
- サービス内容、料金の目安、事例や実績、会社の所在地を順に探す
- 問い合わせフォームを開き、入力項目を最後まで確認する(送信テストは社内の決まりに従う)
- 途中で迷った場所、戻るボタンを押した場所、読むのをやめたくなった場所をメモする
パソコンだけで確認すると、スマートフォンでの見え方を見落とします。電話番号を押して発信できるか、メニューが開くか、フォームの入力欄が小さすぎないかも、実機で確かめましょう。
メモは「迷った」で終わらせず、「料金ページへのリンクがメニューの中にしかなく、スクロールしても見つからなかった」のように、場所と状況を書きます。あとで制作会社や上司に説明するときも、このメモがそのまま使えます。
気づいたことを「事実・仮説・確かめ方」に分けて書く
書き出した気づきは、次のような表にまとめると整理しやすくなります。「事実」は見ればわかること、「仮説」はまだ確かめていない原因や影響、「確かめ方」は仮説が正しいか判断する方法です。
| 気づいた点 | 事実か仮説か | 確かめ方 |
|---|---|---|
| スマホで料金表の右側が切れる | 事実 | 修正すれば解決。修正後に実機で再確認 |
| 料金ページが見られていないかもしれない | 仮説 | GA4の「ページとスクリーン」で表示回数を見る |
| 検索からサービスページに直接来る人が多いはず | 仮説 | GA4の「ランディング ページ」で最初のページを見る |
| 問い合わせへのリンクがトップにしかない | 事実 | 各ページに追加。追加日を記録し、問い合わせ数を比べる |
| 地域名で検索したとき表示されていないかもしれない | 仮説 | Search Consoleでクエリと表示回数を見る |
仮説は「間違っているかもしれない」前提で書きます。数字を見て外れていたら、消して構いません。大事なのは、確かめていない仮説を、上司への報告や制作会社への依頼で「原因」として書かないことです。
この表は、のちに改善提案書や制作会社への依頼内容をまとめるときの材料になります。社内で説明する資料の作り方は上司に出すホームページ改善提案書の書き方も参考にしてください。
改善案が多いときの優先順位の付け方
一覧ができると、改善候補が10件、20件と並ぶことがあります。全部を同時に進めると、何が効いたのか後でわからなくなります。そこで、次の3つの観点で比べる方法を当サイトでは提案しています。
- 影響:問い合わせや予約など、サイトの目的に近い場所か。お客様の多くが通るページか
- 手間:社内で直せるか、制作会社への依頼が必要か。費用や日数はどのくらいか
- 確かめやすさ:変えた後に、結果を数字や観察で確かめられるか
それぞれを「高・中・低」の3段階で付けるだけで十分です。点数を細かく付けるより、話し合いの材料にすることを目的にします。
| 改善候補 | 影響 | 手間 | 確かめやすさ | 判断 |
|---|---|---|---|---|
| 各ページに問い合わせへのリンクを追加 | 高 | 低 | 高 | 最初に試す |
| スマホで料金表がはみ出す問題を直す | 中 | 低 | 中 | 最初に試す |
| 古いお知らせの整理 | 低 | 低 | 低 | 空き時間に |
| サービスページの文章を全面的に書き直す | 高 | 高 | 中 | 数字を見てから計画 |
| デザインの全面リニューアル | 不明 | 高 | 低 | 他を試した後に検討 |
影響が大きく手間が小さいものから始めるのが基本です。確かめやすさを入れているのは、効果を判断できない変更ばかりを続けると、次の判断の材料が増えないためです。デザインの全面変更のように影響を事前に見積もりにくいものは、小さな改善を試した結果を見てから検討しても遅くありません。
自分で直すか外注するかの判断はホームページは自分で直す?外注する?判断の目安で整理しています。
外の目を借りる方法と、それぞれの限界
社内だけで見ていると、見慣れて気づかない点が残ります。外の目を借りる方法もいくつかあります。
- 無料の診断ツール:表示速度やスマートフォン対応などを機械的に確認できます。お客様にとって内容がわかりやすいかまでは判断しません。ツールごとの違いは無料のサイト診断ツール比較で整理しています
- 制作会社への相談:プロの視点で改善点を挙げてもらえます。初回相談の範囲や費用は会社によって異なるため、事前に確認します
- 身近なお客様や社外の知人に見てもらう:実際の利用者に近い感想が得られます。聞き方は顧客インタビューのやり方を参考にしてください
- AIサービスに相談する:公開ページを読み込んで、改善点の整理を手伝うサービスがあります
AIサービスの一つとして、GROW Agent プロデューサーは、公開中のサイトを読み込みながら対話し、資料の一つとして「Webサイト診断書」を作ると公式は案内しています(2026年10月確認、相談・資料作成は無料)。公式の案内では、GA4などを接続していない場合のアクセス解析レポートは推定値になるとされています。推定値を実測値と混同しないこと、診断書の指摘が自社の事情に合うかを確認すること、どれから直すかを決めること、実際の修正作業は、人に残る作業です。当サイトでは出力の品質を実際に検証していません。
どの方法でも、出てきた指摘はこの記事の表に加え、「事実か仮説か」「影響・手間・確かめやすさ」で同じように並べ直すと、ほかの気づきと比べやすくなります。
最初の一歩:今週やること
改善点探しは、一度で完了させる必要はありません。今週できることを小さく区切ります。
- スマートフォンで、問い合わせ直前まで自社サイトを一通り操作し、迷った場所をメモする
- メモを「事実・仮説・確かめ方」の表に移す
- 事実の項目のうち、社内で直せるものを1〜2件直し、直した日を記録する
- 仮説の項目は、GA4・Search Consoleで見る数字を決める(権限がなければ申請する)
- 来月、同じ表を見直して、次に試す候補を選ぶ
変更した日と内容を残しておくと、数字が動いたときに理由を振り返れます。逆に、数字が動かなかったときも「この変更では変わらなかった」という材料になります。問い合わせの改善を集中的に進めたい場合は、問い合わせが少ないとき、最初に見直すページと順番に続きます。
この記事は、当サイトが提案する改善点の探し方です。GA4・Search Console・GROWの機能は2026年10月時点の公式ヘルプ・公式サイトで確認した内容で、変更される場合があります。最新の情報は公式でご確認ください。