結論:「数字を集める道具」と「改善案を出す道具」は別物
無料のサイト診断ツールは、大きく3つに分かれます。
| 種類 | 代表例 | わかること |
|---|---|---|
| 数字を集める | Search Console、GA4 | 検索での表示、訪問数、よく見られるページ |
| 1ページを点検する | PageSpeed Insights | 表示の速さと改善のヒント |
| 行動を見える化する | Microsoft Clarity、Ptengine | どこがクリックされ、どこまで読まれたか |
| 分析を文章にする | AIアナリスト、GROW | 改善の方向や優先順位の案 |
「何を直せばいいかわからない」という悩みは、数字を集めるだけでは解決しません。数字の土台を作る道具と、それを読み解く道具を組み合わせて使います。
ツール別の比較表
| ツール | 料金 | 準備 | わかること | わからないこと |
|---|---|---|---|---|
| Search Console | 無料 | Googleアカウント、サイトの所有権の確認 | 検索での表示回数・クリック・検索語句、インデックスの問題 | サイト内での行動 |
| GA4 | 無料(上位版あり) | 計測タグの設置 | 訪問数、流入元、ページごとの閲覧、キーイベント | 検索語句の詳細、画面上のどこを見たか |
| PageSpeed Insights | URLを入れるだけで使える | なし | 表示速度、モバイルの体験、改善のヒント | 訪問者数、内容のわかりやすさ |
| Microsoft Clarity | 無期限で無料、トラフィック上限なし | 計測タグの設置 | ヒートマップ、セッション録画、AIによる要約 | 訪問者がなぜそうしたか |
| Ptengine(無料プラン) | 無料(月3,000PVまで) | 計測タグの設置 | ヒートマップ(1ページ)、アクセス解析 | 無料枠を超える量のデータ |
| AIアナリスト(無料プラン) | 無料プランあり(一部データに制限) | GA4などとの連携 | GA4のデータからの改善提案 | 連携していないデータ |
| GROW Agent プロデューサー | 相談・資料作成とも無料 | URL・連絡先の入力(GA4などの接続は任意) | 公開ページからの診断、改善提案を資料で | 接続しない場合の実際のアクセス数(推定値になる) |
2026年10月19日に各公式ページで確認。PageSpeed Insightsは公式ページに料金の記載がなく、pagespeed.web.dev でURLを入れて使える画面になっています。
Search Console と GA4:まず入れる2つ
Search Console は、Google検索でのサイトの表示状況を確認できるGoogleの無料サービスです。どんな検索語句で何回表示され、何回クリックされたか、インデックスに問題がないかがわかります。使うには、サイトの所有権を確認する手続きが必要です。
GA4(Google アナリティクス 4) は、サイトへの訪問とサイト内の行動を計測する無料ツールです。どこから来た人が、どのページを見て、問い合わせなどの目標に至ったかがわかります。標準のプロパティでは、データの保持期間は2か月か14か月から選びます。
良い点:無料で、ほかの多くのツールがこの2つのデータを土台にしています。
気になる点:数字は出ますが、「だから何を直すか」は自分で考える必要があります。見る数字の絞り方はGA4とSearch Console、最初に見る数字で解説しています。
PageSpeed Insights:表示の速さを点検
URLを入れると、モバイルとパソコンでのページの表示の速さや体験を評価し、改善のヒントを出します。実験環境での測定結果に加え、データがあれば実際の利用者の過去28日間のデータも表示されます。
良い点:準備なしで、すぐに使えます。
気になる点:1ページずつの点検で、内容のわかりやすさや導線の良し悪しはわかりません。改善のヒントは専門的な内容が多く、実際の修正は制作会社に相談することになりがちです。
Clarity・Ptengine:画面のどこが見られているか
ヒートマップは、ページのどこがクリックされ、どこまでスクロールされたかを色で示します。
Microsoft Clarity は無期限で無料、トラフィックの上限もないと公式で案内しています。ヒートマップに加え、訪問者の操作を再生するセッション録画(保存は30日)や、GPT-4oを使ったCopilot機能でダッシュボードについて質問したり録画を要約したりできます。EEA・英国・スイスの訪問者には明示的なCookie同意が必要です。
Ptengine の無料プランは、月3,000PVまで、ヒートマップは1ページ、データ保存は1か月です。有料プランは月払いで6,578円(税込)からです。
良い点:数字だけでは見えない「読まれていない場所」が目で見てわかります。
気になる点:計測タグの設置が必要で、プライバシーポリシーへの記載も確認が要ります。なぜそこで離れたのかまではわかりません。詳しくはヒートマップでわかること・わからないことへ。
AIアナリスト・GROW:分析を改善案の形にする
数字の読み方がわからない人向けに、分析結果を文章の改善案にするサービスもあります。
AIアナリスト(株式会社WACUL)は、Google アナリティクスなどと連携してサイトを分析し、改善提案を出すサービスです。無料プランがあり、基本的な機能は使えるが一部のデータに制限があると案内されています。有料プランの範囲や料金は公式で確認してください。
GROW Agent プロデューサー は、公開ページを読み込みながら相談し、Webサイト診断書や競合分析などの資料にまとめます。相談・資料作成とも無料です。GA4・Search Console・Google広告を接続すれば実際の数値で分析しますが、接続しない場合のアクセス解析は推定値になると明記されています。脆弱性診断も、公開ページからわかる範囲の簡易的な確認です。
| AIアナリスト | GROW | |
|---|---|---|
| 前提 | GA4などのデータとの連携 | 公開サイトのURL(データ接続は任意) |
| 得意なこと | アクセスデータからの改善点の発見 | 目的の整理から、診断書・提案書・RFPまでの資料化 |
| 気になる点 | 無料プランは一部データに制限 | 連絡先の入力が必要。運営は制作会社 |
どちらも、出てきた改善案の効果は試してみるまでわかりません。
組み合わせの例:最小構成から始める
- Search Console と GA4 を入れる(まだなら最優先。どちらも無料)
- 気になるページをPageSpeed Insightsで点検(準備不要)
- 問い合わせにつながるページだけClarityでヒートマップを見る(タグ設置が必要)
- 何を直すか迷ったら、AIアナリストやGROWで改善案の形にする
ツールを増やすほど、見る数字も増えます。最初は「問い合わせを増やす」など目的を一つに決め、その目的に関係する数字だけを見ましょう。改善点の見つけ方はサイトの改善点がわからないときの見つけ方にまとめています。