結論:ヒートマップは「どこで」を、理由は人に聞いて補う

ヒートマップとは、ページのどこがよく見られ、どこがクリックされ、どこで読むのをやめたかを、色の濃さで表示する機能です。数字の表だけでは見えにくい「ページの中の様子」がわかります。

ただし、ヒートマップが教えてくれるのは行動の結果だけです。料金表の手前で多くの人が離れていても、それが「高いと感じた」からなのか「探していた情報がなかった」からなのかは、ヒートマップだけでは判断できません。理由は、問い合わせ記録やインタビュー、アンケートで補います。

無料で始めるなら、Microsoft Clarity は公式に無料と案内されています。導入には、サイトに計測用のタグ(短いプログラム)を入れることと、Cookie(閲覧情報を保存する仕組み)やプライバシー表示の確認が必要です。この記事では、その手順と、他の3つのツールの公式情報を整理します。

ヒートマップでわかること・わからないこと

役割をはっきりさせるために、表にまとめます。わからない側の項目は、ヒートマップの欠点というより、別の方法で補う部分です。

わかることわからないこと(補う方法)
ページのどこまでスクロールされたかなぜそこで読むのをやめたか(インタビュー)
どこがクリックされたかクリックした人が何を期待していたか(アンケートの自由記述)
ボタンでない場所が押されていないかその人が最終的に問い合わせたか(アクセス解析の数字と照合)
スマートフォンとパソコンの違い来た人がどんな立場の人か(問い合わせ記録・営業の話)

当サイトの提案は、まず問い合わせや資料請求の手前にあるページを1つ選び、そこで気になる点を1つ見つけることです。見つけたら、次の問い合わせやインタビューで「このページで何を探していましたか」と聞いて確かめます。

4つのツールを公式情報で比べる

各ツールの公式ページを2026年10月に確認した内容です。確認できなかった項目は「公式で確認できず」としています。料金や条件は変わる場合があるため、導入前に公式で確認してください。当サイトでは各ツールの操作性を実測していません。

項目Microsoft ClarityミエルカヒートマップPtengineUser Heat
無料での利用永久に無料と案内無料アカウントあり、無料の範囲内で期限なく利用可と案内無料プラン(Free)あり無料と案内
量の上限トラフィックの上限なしと案内(ヒートマップ1つは10万PVまで、録画は1プロジェクト1日10万セッションまで)無料枠の条件は公式で確認できず無料プランは計測3,000PV/月、ヒートマップ1ページ、データ保存1か月日本語の公式ページでは確認できず
主なヒートマップクリック・スクロールなど熟読・離脱・クリックの3種類AIが注目・離脱箇所を抽出する Smart Heatmap5種類
その他の機能セッション録画、AIによる要約ABテスト、簡易CMS(一部利用できないプランあり)アクセス解析、セグメント分析、コンバージョン計測、ファネル分析入力フォーム改善(EFO)、Search Console連携、テキストマイニング
有料プラン有料版への移行は不要と案内PVやサイト数に応じた複数プラン。料金は資料請求Growth は月払い6,578円/月から・年一括払い5,478円/月から(税込)。Premium は問い合わせ有償版 UserInsight あり。料金は公式で確認できず

ミエルカヒートマップは、契約期間が6か月と12か月の2種類で、原則として契約期間分の前払い、自動更新ありと公式ページに記載されています。User Heat はユーザーローカルが運営しています。

各ツールの良い点・気になる点・向く人

Microsoft Clarity

  • 良い点:無料でトラフィックの上限がないと公式に明記。ヒートマップに加えて、操作の様子を再生できるセッション録画がある
  • 気になる点:録画の保存は記録から30日(お気に入りなど一部は最大9か月)。18歳未満を対象にしたサイトでは使わないよう案内されている。Cookieやプライバシー表示の対応が必要
  • 向く人:まず費用をかけずに試したい人、タグの設置ができる人

ミエルカヒートマップ

  • 良い点:無料アカウントを期限なく使えると案内。ABテストや簡易CMSなど、改善の実行まで同じツールで扱える機能がある(一部利用できないプランもあると案内)
  • 気になる点:無料枠の具体的な条件と有料プランの金額は公式ページに記載がなく、資料請求が必要
  • 向く人:将来的にABテストまで進めたい人、問い合わせながら導入を検討したい人

Ptengine

  • 良い点:AIが注目箇所と離脱箇所を自動で抽出する機能(Smart Heatmap)を公式が案内している。無料プランと有料プランの条件が料金ページに表で示されている
  • 気になる点:無料プランは計測が月3,000PVまで、ヒートマップは1ページ、データ保存は1か月。PVが上限を超えると、次のリセット日まで計測が止まると案内されている
  • 向く人:アクセスの少ないページで試してから、有料プランを検討したい人

User Heat

  • 良い点:無料でスマートフォン・パソコンの両方を解析でき、ヒートマップ5種類に加えて入力フォームの分析なども案内されている
  • 気になる点:日本語の公式ページでは月間PVの上限を確認できなかった。英語版ヘルプには、分析できるURLは最大1,000、個別のサポート問い合わせには対応しない(不具合と稼働状況のみ)とある
  • 向く人:無料で複数の種類のヒートマップを試したい人

Clarity の導入手順(公式の案内)

Microsoft Learn の公式ドキュメントでは、次の流れが案内されています。

  1. Clarity にサインアップし、サイトごとにプロジェクトを作る
  2. プロジェクトの設定(Settings → Setup)で導入方法を選ぶ
  3. 手動で入れる場合は、計測コードをコピーしてサイトの head 部分に貼る
  4. WordPress、Wix、Shopify などのサービスでは、それぞれの導入方法に従う
  5. タグを入れた後、プロジェクト画面でリアルタイムのデータが表示されるかを確認する

手動で入れるには、サイトの head 部分を編集できる権限が必要です。Google タグマネージャーを使っている場合は、連携の手順も案内されています。自分で編集できない場合は、計測コードを担当者にメールで共有する機能もあります。

公式には、Clarity は既定で機密性のある内容を隠すこと、Canvas や外部サービスの埋め込み枠(iframe)の中は取得できないことも書かれています。

Cookie とプライバシー表示の確認

Clarity は Cookie を使ってデータを集めます。公式のFAQでは、利用者に Cookie の使用を知らせる必要があるかという質問に「はい」と答え、利用規約を参照するよう案内しています。

サイト上の表示については、Clarity を使うすべてのサイトに、フッターなどへの表示を推奨し、文例を公開しています。表示に含める内容として、次の点が挙げられています。

  • Microsoft Clarity を使っていること
  • どんなデータを、何の目的で集めるか
  • 詳しくはプライバシーポリシーを見てほしいこと

プライバシーポリシーには、Clarity の使い方、集めるデータ(セッション録画やヒートマップ)と目的、Microsoft のプライバシーに関する声明へのリンクを書くよう案内されています。

また、2025年10月31日から、欧州経済領域・英国・スイスからの訪問については、有効な同意の信号が必要になったと公式は説明しています。同意を得ないで使うこと自体は規約違反ではないものの、ページをまたいだ行動がつながらなくなるなど、機能が制限されるとFAQに書かれています。海外からの閲覧が多いサイトでは、同意を管理する仕組みの導入を制作会社と相談してください。

他のツールを使う場合も、Cookie の扱いとプライバシーポリシーへの記載が必要かを、各社の規約で確認しましょう。

見つけた点を、アンケート・インタビューで確かめる

ヒートマップで気になる点を見つけたら、すぐにページを作り直す前に、理由を確かめます。当サイトが提案する流れです。

  1. 気になった点を一文で書く(例:スマートフォンでは料金表の手前で多くの人が離れている)
  2. 考えられる理由を2〜3個書き出す(例:料金表まで長い、知りたい料金の目安がない)
  3. 問い合わせ記録で、料金について聞かれている内容を確認する
  4. 足りなければ、短いアンケートやインタビューで「このページで何を探していたか」を聞く
  5. 理由の見当がついたら、変更する箇所を一つに絞って直し、同じページのヒートマップを見比べる

一度に複数の箇所を変えると、どの変更が影響したのかがわからなくなります。理由を聞く方法は顧客インタビューのやり方と無料アンケートツール比較で紹介しています。改善するページの探し方はサイトの改善点がわからないときの見つけ方も参考にしてください。